さて、トークの2つ目「本屋にご自身の本が並びますよ!」です。
1つ目はこちら ⇒売れれば印税が入りますよ!ってホント?
出版した本が書店に並ぶには理由がある!
はい。これもホントです。
本屋には、出版された本がたくさん並んでいますね。
皆さんも大手から出版されたら、ご自身の書籍が本屋に並ぶでしょう。
書店に並ぶことをウリにしている出版社もあります。
出版社によりますが、独自で書店にルートを持っていますので、
そのような出版社で作られた本は全国の書店に配本されているはずです。
また、「販売支援」みたいな名目で、書店に並べることをオプションにしているところもありますね。
その場合は、お金を出せばルートのある書店に並べてくれます。
ただ、ちょっと考えてみてください。
有名作家さんやベストセラーの隣に、
みなさんの本が平積みされるわけではないのはお分かりですよね?
本屋に並ぶとしても数冊です。
ちょっと考えてみると分かるのですが、例えば本をつくり、500冊刷ったとします。
1つの書店に5冊配られたら、全国100店。
1店舗1冊なら500店舗に届きますが、1冊では平積みできないので、
新刊のスペースに並ばないで最初から棚行きかもしれません。
では、1つの書店に数冊配られたとしましょう。
出版社の営業担当が熱心だったり、書店と強い関係を築いていたりすれば、
人気の新刊の隣にポップ付きで皆さんの本を並べてくれるかもしれません。
無名の新人作家の本(自費出版)が平積みされる理由
落ち着いて考えてみましょう。
なぜ無名の人の本が平積みされるのか?
あなたは文芸界に革命を起こすような隠し玉ですか?
違いますよね?
本を出したとはいえ、基本的には無名の一般人。
あなたのことを知っている人はほとんどいません。
ではなぜそんな人をプッシュするのか?
その本屋はよほど嗅覚が鋭いのか?
出版社の営業マンが敏腕なのか?
これも違いますよね。(そうであったら素晴らしいですけど)
これって要は、お金を出して本屋のスペースを買っているようなものです。
ポップもそうですね。
なかには「書店員が選ぶーーー」的なのもありますが、
あなたの本は本当に面白い、これは世に知らせたい、と思って
書店員さんが書いたものなのか? 正直、怪しいです。
どちらかというと、出版社が用意したポップが使用され、書店に並ぶことになるでしょう。
つまりはポップも広告宣伝費に含まれているということです。
でも皆さん、これに価値を見いだせますか?
お金払えますか?
ちょっと冷静になる必要があります。
平積みスペースにお金を払うのは正解? それで売れたとしても・・・
たしかに、書店に自身の本が並ぶのは嬉しいですし、
自慢したくなりますし、感慨深いものがあるでしょう。
私も、ゴーストライターとして関わった本が販売されたときは書店に見に行き、
「おお、売られている!」
という気持ちになったことがあります(笑)。
自身の本がamazon Kindleで販売されたときも、やたらとamazonにアクセスしていました。
自分の本が今、ランキング何位なのかとても気になりましたし、
カテゴリー1位を取った時は当然キャプチャしてFacebookに投稿しました(^^;
でもそれはほんの一時期のことです。
高揚感はそのうち冷めますし、
平積みのスペースからは1週間ほどで片付けられるでしょう
売れて書店から消えたのであれば万々歳ですが、残念ながらそうはならないでしょう。
なぜなら、本当に売れた人気の本なら増刷がかかるはずですよね。
ここまで話してきましたが、広告宣伝を批判しているわけではありません。
宣伝による売れることはもちろんありますし、
自身の本が書店に並ぶという事実・結果を得るためとするのなら別です。
(そのための広告費といえば、それが高いかどうかは判断が分かれるところですね)
ただ、多くの人にとってそれは最終目標ではないでしょう。
「初心」ではないですが、そのために出版したのではないと思います。
まとめ:書店に並ぶのは嬉しいこと! でも冷静に考えよう
「本屋にご自身の本が並びますよ!」
と言われると、乗り気になっちゃいそうですが、
そのために高い広告宣伝費をかけるのは、ちょっと違うと、私は思います。
どのサービスでも同じですが、広告宣伝費をかけるのは、
宣伝した後に、それに見合った反響や売り上げが見込めるからだと思います。
本の宣伝をしても売り上げ(印税)の見込みが読めない、
もしくは若干の売り上げがあっても元は取れないことが
ほとんど分かっているのに広告宣伝費をかける意味ってどれだけあるのでしょう?
「本屋にご自身の本が並びますよ!」は、
都合の良いところだけしか伝えていない言葉で顧客本位ではないな、と私は思います。