大手出版社が手掛ける自費出版サービスの大きな売りの一つである、「自身の本が販売・流通しますよ」ですが、本当に売れるのでしょうか?実は流通したとしても、自身の書籍が本屋に並ぶわけではありません。流通すること、販売されること、売れることは違います。
「流通すること」「販売されること」「売れること」はそれぞれ異なる
もちろん、自身の本が販売されるのはスゴイことですし、本屋に並ぶのは嬉しいことです。それは間違いないでしょう。
でも、本当に売りたいのか?売れるのか?とても怪しい、と思います。売れるかどうかわからないのに、たくさん刷って、広告出して、というところにお金をかけるのは、よろしくないと、思います。
でも、気持ちはわかります。出版社のHPに「今月の新刊」というふうに掲載され、自分の本が紹介されていたら自慢したくなります。(私もamazonで自身の本が掲載されたとき、急いで画面キャプチャしました。ランキング1位になったときは言うまでもありません笑)。
ただ、私は全部自分で制作したので費用負担はなかったですし、広告費もかけませんでした。(私の場合、売ることは大きな目的ではありませんでしたが)
「自身の本が販売・流通しますよ」の声に惑わされないこと
ポイントは、「自身の本が販売・流通しますよ」の声に惑わされないように、ということです。
売れないとは言えませんが、売れるとも言えません。むしろ、売れないでしょう。
よく考える必要があります。まず、売れる売れない、の前に本屋に並ぶといっても、すべての本屋に並ぶわけではない、ということを考えてみましょう。現在、国内にある本屋の数は約12,000店。そのうち、街の小さな書店や、たまに駅前などで見かける、グラビア写真集やアダルト本ばかりが揃っているような怪しげな本屋を除けば、実質、配本候補として10,000店くらいでしょうか。
では、みなさん出版したとして、何部刷りますか?無名の作家の本を10,000冊も刷ることはあり得ませんし、刷ったとして、全国10,000店に一冊ずつしか配本されませんし、そもそも全書店一冊ずつというふうに配本されるわけはありません。
刷ったとしてせいぜい300~500冊として、(個人ではそれでも多いと思いますが)そうだとしても、出版社が提携している本屋に3冊、5冊くらい(数10店に)配本されるのがオチです。(配本されない分は在庫となります)
自身の本が流通しても書店に並ぶとは限らないし、売れるとも限らない
つまり、流通された(市場に出た)といっても、それが本屋に並ぶわけではありません。
では、配本されたとします。平積みされる可能性はゼロではありません。なぜかというと、出版社が持っている本屋のスペースがあるからです。例えるなら、家電量販店における、電機メーカーの売り場スペースですね。(規模は、本屋との提携具合によります)
しかし、そのスペースをキープできるのは、ものすごく良い方だということを知っておかなくてはいけません。無名の新人が書店員に紹介され口コミでじわじわと人気を集めるなどの展開が理想ですが、かなりのレアケースでしょう。実際には、一冊も売れずに返本ということも珍しくありません。
無名の新人でも売れるためにはどうすれば良いか?
では、無名の新人の書籍の本は売れないのでしょうか。可能性としては、スペースに限りがあるリアルの書店よりも、インターネット上での販売でしょう。各書店や出版社が運営している書籍のECサイトで販売されるのはあれば、良いですが、出版社を経なくても自身で販売することは可能です。
amazon Kindle で出版する
とはいっても、自身でホームページを立ち上げるのも困難です。利用したいのはamazonです。自身の書籍を電子書籍のamazon Kindleで作ることにより、amazonで販売することが可能になります。販売するにあたり料金も自由に決められます。また、ペーパーバックをつかうことで電子書籍でありながらも紙の本としても販売できるようになっていますので、できるだけお金をかけずに出版したいという人には向いているのではないでしょうか。