文章を書くにはクリエイティブな能力は一切いらない、という話です。
文章における能力は、「創作」ではなく、「伝える力」です。
ライターの仕事をしていると、よく、
「クリエイター」「クリエイティブな仕事」という範疇で話をされますが、
私自身は、「創作者」という認識は、ほぼありません。
もちろん。文章を生み出している、という意味ではクリエイティブですが、
「創作」とはちょっと違うかな、と思っています。
どちらかというと「組み立てる」です。
なぜなら、「創造」ではないから、です。
クリエイティブというと、ゼロから生み出すイメージがありますが、
実際には、そんなことはありません。
もちろん、仕事の中身によって「造語」も、あることはありますが、
基本的には、常用の言葉を組み合わせて文章を作ります。
ですので、いうならば、クリエイティブよりもビルドかもしれません。
ライター業をやっていると
「ゼロから作るってすごいですよね~」
と言われることが、ままあります。
でも私は、文章は、ゼロから生み出していくのではなく、
バッサバッサと切り捨てて切り捨てて、残ったもので組み立てる、という感じです。
例えば取材。
取材して相手からたくさん話を聞きます。
でも、使うのはほんの一部かもしれません。
メディアの取材と似ているかもしれませんね。
さんざん撮影しておいて、テレビを見たら3分も流れていなかった、みたいな。
いつものように料理に例えると、
たくさんある材料のなかから
さて何を使おうか、これとこれを使ってこれを作ろう、
という感じです。
素材を選んで作るものを決める、ですね。
ですので、
そこにあるものから創作する、
という意味ではクリエイティブですが、
決してゼロから生み出すわけではありません。
むしろ、使わないものを決める、です。